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岡山発の映画「ひかりのおと」が京都に

岡山で「ひかりのおと」っていう映画が制作されました。

岡山県真庭市に住む農家・山崎樹一郎さんが作った、自主映画です。
この「ひかりのおと」、実は自主映画の業界ですごく話題なんです。

そのことを、少しお話したいと思います。

         

農家と言いながら、山崎さんはもともと、京都で映像制作を志した若者でした。それがお父さんの実家のある真庭市に戻ったといいます。
夢を抱いて上京、若者らしい希望と、映像の作り手たちとの交流。
そして帰郷した先での、農家という現実との直面。
農業の将来はそんなに明るいものではなくて、後継ぎ問題に人間関係など、悩むことは多い。
いろんな感情が渦巻いていたと思います。

山崎さんは、それを89分の映画にしました。

主人公は、きっと山崎さん自身を投影させている狩谷雄介。
音楽を志して上京したものの、父親の怪我のために故郷へ。実家の酪農家の仕事をし、農業の将来を心配しながら、その地域の人たちの風習や人間関係に少しずつ悩んでいきます。


そしてこの映画は、岡山県を文字通り「駆け抜け」ました。
2011年10月から2012年3月まで約5カ月間、「巡回上映」をおこなったのです。

それが少しずつ、ゆっくりと話題を呼びました。
地元で生まれた映画が、地元の人たちの目にとまり、口から口へ伝えられていく。

「地産地消」ということばはよく使われます。
でもこの映画は「地産地生」ということばで表現されることが多い。
消費され、消えていかないんですね。ずっと残りつづける。

そんな「ひかりのおと」に、たくさんの栄誉がおとずれます。
岡山芸術文化賞のグランプリ、そしてロッテルダム国際映画祭への招待、東京国際映画祭へ正式出品。大阪アジアン映画祭に特別招待。
どれもが、自主映画にかかわる人たちならば憧れる場所の一つです。

自主映画なのに、自主映画らしからぬ。
農家の人が作った、農家のための、でも農家以外の人のためのものでもある映画。

ちょっと、見てみたくないですか?

こちらが、予告編です。

実は4月から、大阪、九条にあるミニシアター「シネ・ヌ―ヴォ」(大阪市西区九条1-20-24、TEL 06-6582-1416)で、ずっと上映されていました。

それも終わってしまったいま、残された上映機会は、5月11日(金)、京都です。
京都みなみ会館(京都市南区西九条東比永城町79、TEL 075-661-3993)で開催される特集企画
「Mogen Sie Kino? 映画は好きですか? vol.1 京都の映画作家」
にて、プレミア上映されるんです。

それだけじゃなくて、
6月9日(土)~15日(金) 14:05から。
6月16日(土)~22日(金) 18:20から。
同じく京都みなみ会館で、長い期間上映されます。
初日、6月9日は、山崎さんらによる舞台あいさつもあるそうです。

 

岡山の人たちの手により岡山で生まれた「ひかりのおと」。
要チェック、ですね。

■日程
5月11日(金) 21:10~

6月9日(土)~15日(金) 14:05~
6月16日(土)~22日(金) 18:20~

■会場
京都みなみ会館
(京都市南区西九条東比永城町79、TEL 075-661-3993)

■料金
当日一般1,500円、学生1,300円、会員1,000円。
前売1,000円。

■サイト
・京都みなみ会館
http://kyoto-minamikaikan.jp/
「ひかりのおと」公式サイト
http://hikarinooto.jp/

 

作品名 『ひかりのおと』
監督 山崎樹一郎
出演 藤久善友 森 衣里 真砂 豪 佐藤豊行 中本良子 佐藤順子 辻 総一郎 坂本光一 大倉朝恵 浅雄 涼 大塚雅史